かぶれと化粧品皮膚炎について
要約
1 )かぶれには初回の刺激で誰にでも起こりうる「一次的刺激性によるもの」と、特定の物質の繰り返しの刺激で感作されてある日突然かぶれが生ずる「アレルギー性機序によるもの」とがある。
2 )皮膚に付着した物質が紫外線で二次的に変化しかぶれの原因になることもある。
3 )かぶれは適切・迅速な治療をしないと二次的なアレルギーを起こして全身に拡がる事がある。
4 )パッチテスト・フォトパッチなどで正確に原因物質を特定し、除去する事が重要。
5 )化粧品皮膚炎については原因物質の特定・除去だけでなく、「使える化粧品」を探す必要がある。
はじめに
いろいろな物質の皮膚への付着により皮膚が刺激されて起こる炎症を「かぶれ(接触皮膚炎)」と言います。かぶれの原因となる物質は多数ありますが、そのうちの化粧品によるものを化粧品皮膚炎と言います。
かぶれ(接触皮膚炎)とは
かぶれ」には例えば漆のように初回の刺激から誰にでも起こりうる「一次的刺激性によるもの」と、特定の物質の刺激が長年に亘って繰り返し行われその物質に対する感作が成立した後に、再度その物質の刺激が加わった時突然発症する「アレルギー性機序によるもの」とがあります。よく「この化粧品は長年使っているからかぶれの原因ではない」と仰る方が見えますが、この「アレルギー性機序によるかぶれ」がある事を考えれば「長年使っているから原因ではない」という主張がいかに間違っているかよく判ると思います。
長年使っているものでもその間に感作が成立してある日突然かぶれ始める事はよくあります。またかぶれにはもう1種類、その物質が紫外線等で成分変化し刺激性を発揮する場合を光線接触皮膚炎と言います。例えば化粧品を顔に付けた状態で戸外で紫外線に当たり、その化粧品が紫外線で二次的な変化を起こしかぶれの原因になる事があります。
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