シミ(肝斑)とソバカス(雀卵斑)について
要約
1 )シミは30歳以降の女性の頬に左右対称にみられる淡褐色の色素沈着で、ソバカスは5~6歳から思春期までの色の白い女の子の頬にみられる数mmの点状の色素沈着です。
2 )紫外線が原因で悪くなるため予防法としては遮光が重要です。
3 )治療法としてはビタミンC・グリチルリチン製剤の内服などがありますが、効果が充分ではないため最近では美容部門としてのいろいろな特殊治療が行われています。
はじめに
女性の顔に良くみられる色素沈着としてシミ(肝斑)とソバカス(雀卵斑)があります(老化現象としての老人性色素班は除きます)。今日はこの二つの違いと治療法・予防法等についてお話しましょう。
シミ(肝斑)
シミは後天性色素異常の一つで、30歳以降の女性の頬部・側頭部・眉毛直情等に、言わば眼の周囲を取り囲むような位置にできる境界明瞭な淡褐色の色素斑で、鼻を中心として左右対称にできます。形・大きさは色々ですが自覚症状や炎症症状はありません。妊娠やその他内分泌機能異常(ホルモン分泌異常)がベースにあり日光の紫外線の刺激で悪くなります。紫外線刺激で表皮最下層にあるメラノサイトのチロジンというアミノ酸がドーパキノンという物質に変化し、さらに黒色メラニンに変化してシミとなります。
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