リンゴ病と手足口病について
要約
1 )リンゴ病(伝染性紅斑)と手足口病はウィルスによる伝染性疾患で子供によくみられ保育園・幼稚園・小学校で子供同士で伝染が拡がり時に大発生する。
2 )ウィルス性疾患で流行性があることと全身的症状は比較的軽微であることから「皮膚のカゼのような病気」と考えればよい。
はじめに
リンゴ病(伝染性紅斑)と手足口病はウィルスによる伝染性疾患で子供によくみられ保育園・幼稚園・小学校で子供同士で伝染が拡がり時に大発生します。昔は「9年に1度大発生する。」と言われていましたが最近では毎年1年を通じて散発的に小~中程度の流行があります。またこれらは終生免疫の得られる病気(つまり1度罹ったら2度と罹らない病気)ではありませんから何回でも繰り返して罹ることもあります。ウィルス性疾患で流行性があることと全身的症状は比較的軽微であることから、私は患者さんに「皮膚のカゼのような病気」と説明しております。
リンゴ病
リンゴ病はパルボウィルスB19による感染症で、頬が赤くなり少し腫れてくることからリンゴ病と言われています。それこそ「リンゴのようなホッペ」になります。初発症状がこれでその後四肢外側にレース状・網目状の紅斑が出てくるのが特徴です。たまに少し痒みがあることもありますが普通は自覚症状もありません。発熱は無いかあっても微熱程度ですが、時に風邪様症状と共に高熱が出ることもあります。特に成人が罹った場合には重症になることがあります。潜伏期間は1~2週間です。治療は皮疹に対しては主に非ステロイド外用剤を、発熱・痒みがある場合には解熱剤・抗ヒスタミン剤の内服を用います。経過は良好で1週間ぐらいで皮疹はほとんど消失します。
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