いぼについて
要約
1 )イボはウィルスが原因で放置しておくと増えるし、他人にも伝染する。
2 )イボウィルスはふやけた皮膚やキズや紫外線が好き。
3 )治療法は液体窒素凍結療法とヨクイニンの内服。
4 )足底のイボは皮膚内に食い込んでおり治りにくい。
イボとは
イボ(疣贅)はウィルスによってできるもので治療せずに放置しておくとどんどん大きくなったり他の場所へ転移したりします。転移の程度は人によって違いますが増えやすい人はあっと言う間に増えてしまいます。両手足に数十ケできてしまっている人もよくみかけます。他人にももちろん伝染ります。
私の診療所の近くに子供たちが共同生活をしている施設がありますが、20人ぐらいの子供たちが団体でイボの治療にやってきます。これは子供たちが一緒に生活して遊んだりお風呂に入ったりしているうちに伝染し合いをしてしまい、殆どの子供たちに蔓延してしまったものと考えられます。イボをみつけたらなるべく早く治療するようにしましょう。イボウィルスは「ふやけた皮膚」や「キズ」が好きで、よくそういう所から皮膚内に進入し増殖します。「転んでできたスリキズが治ったらそこにイボができた。」という方もみえますし、「バンドエイドを貼っておいたらふやけた皮膚面にイボができた。」という方もみえます。
もうひとつイボのウィルスの特徴として紫外線に当たると増えるという性質があります。とくに後で述べる青年性扁平疣贅は紫外線で増えやすいと思います。よく「ゴルフに行ったら顔・頸・上肢にできていたイボが急に増えた。」という方がみえます。
イボの種類と好発部位
イボにはいろいろな種類がありますが、主なものは尋常性疣贅と青年性扁平疣贅です。
尋常性疣贅は体中どこにでもできますが多くは手足・顔面・頚部などです。足底以外の場所のイボは周囲の皮膚面から盛り上がってできていますが、足底のイボは体重がかかるために皮膚の内部に食い込んでおり表面は平らになっています。食い込んだイボが硬くなって痛みを感じることもあります。足底では一般に大きく深いイボになることが多く場合によっては1cmぐらいの深さになることもあります。
しかも困ったことにイボのウィルスはこの一番深い所に潜んでおり、この根っこがとれるまで治療しないとすぐに再発します。治療法の所でも述べますが液体窒素凍結療法を行う場合皮膚面から盛り上がったイボはよく凍結できて割合早く治療できるのですが、足底面に食い込んだイボはうまく凍結できず治療に時間がかかる場合が多いのです。
青年性扁平疣贅は青少年の顔面・手背に多く特に女子によくみられます。1~2mm位の表面扁平なイボが多数ちらばって出てきます。ひとつひとつがあまり小さいとイボとは見えないようなものもあります。正常皮膚色のものもありますが中には薄茶色の色がついて「シミ」と間違えられる場合もあります。
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