粉瘤とセツについて
要約
粉瘤は皮下に皮膚と同じ成分の袋ができ、中に臭い匂いのあるオカラ状の物質が入っている。細菌感染を起こしやすいため炎症を起こし、紅く腫れて膿が溜まる。 セツは皮下の毛包部の細菌感染で周囲に炎症が拡がり、紅く腫れて膿が溜まる。 治療は切開排膿と抗生剤・消炎剤の使用。
はじめに
「オデキができた」と言ってこられる方がおられます。皮膚が瘤状に盛り上がって紅く腫れて痛みがあります。中央に穴が開いて膿が出ている方もみえます。
この場合考えられる疾患として
①皮膚と同じ成分の袋が元々あって、そこに二次感染として細菌が入って炎症を起こして紅く腫れた場合
②単にそこに細菌感染が起こって紅く腫れた場合、
の2つが考えられます。①を粉瘤、②をセツ(オデキ)と言います。
粉瘤とは
皮下に皮膚と同じ成分の袋ができ、その中に普通の皮膚なら垢として脱落していく成分が溜まってきます。これは一見「オカラ状」で臭い匂いがします。そして皮膚表面をよく見ると針のような小さな穴が開いているのが見えます。この段階ではまだ炎症が起こっていませんので、「何か小さいコブのような物がある」とか、あるいは何も気が付かない方が多いようです。この袋の中は垢の成分が溜まり不潔になりやすいのでよく細菌が入り、二次感染を起こして紅く腫れて膿が溜まり痛みが出てきます。この段階で気がついて「オデキができた」と言って来院される方が多いようです。
続きを読む